おやすみを いいわすれた ぞう
どうぶつえんの よるは しずかです。
ぞうの パオは、わらの うえで ねようとして、ぱちっと めを あけました。
「きりんの ノッポに、おやすみって いうの わすれた」
パオは まいばん、ねる まえに みんなに「おやすみ」を いいます。それを しないと、なんだか ねむれないのです。
パオは そうっと おきて、さくの ところまで いきました。
きりんの おうちは、となりの となりです。パオは はなを うんと のばしました。とどきません。
「ノッポ、おやすみ」
ちいさな こえで いって みました。へんじは ありません。ノッポは もう ねているのかも しれません。
パオは かんがえました。ぞうの こえは おおきいのです。ほんきで いったら、どうぶつえんの みんなが おきてしまいます。
そこで パオは、となりの カバの ドンに たのむことに しました。
「ドン、ドン。ノッポに おやすみって つたえて」
みずの なかから、ドンが めだけ だしました。ぶくぶく、と あわが でて、ドンは みずの なかに もどりました。
つぎに、ドンの となりの フラミンゴたちが、かたあしで たったまま、「おやすみ、おやすみ」と ささやきあいました。
その ささやきは、へいの うえの からすに とどいて、からすは「かあ」と ひとこえ ないて とんでいきました。
しばらくして。
とおくの ほうで、なにかが ゆっくり うごきました。くびの ながい かげが、つきの まえを よこぎって、こちらを むきました。
ノッポでした。
ノッポは なにも いいませんでした。きりんは あまり こえを ださないのです。
かわりに、ながい くびを いちど、ゆっくり さげました。
パオは はなを たかく あげて、それに こたえました。
それから わらの うえに もどって、ごろんと よこに なりました。
こんどは すぐに ねむれました。
読み終えて、どうでしたか