動物の泣ける話・感動する話 19選
「動物」をテーマにした、3分で読める短い物語。泣ける話から、くすっと笑える話まで。
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うちの曹長
大学三年の夏、家賃三万八千円の六畳に、手のひらほどのクモが出た。調べると、ネットでは「軍曹」と呼ばれて崇められているらしい。
帰舎時刻
岩手から放たれた六羽のレース鳩。栃木の屋根の上で、六十八歳の男が帰りを待っている。
留守番の九官鳥
昭和四十六年の秋、出稼ぎに行く前の夫が、秋田のデパートで九官鳥を買ってきた。一万五千円もした。
きなこを預かった二週間
娘一家がハワイへ行くあいだ、孫のハムスターを預かることになった。七十四歳、生き物の世話は五十年ぶり。
洗濯ばさみ
ベランダの洗濯ばさみが、ひとつずつ減っていく。犯人は、向かいの電柱に巣をかけたカラスだった。
山羊のメイ
昭和三十年代の信州の家で、小学生の私が乳をしぼっていた山羊。修学旅行の年に、いなくなった。
実家の亀が四十歳になった
長くなるけど聞いてほしい。うちの実家には、父より先に家族になった亀がいる。
カブトムシの自由研究
八歳の息子が書いた、観察日記の最後のページ。
冬だけのボス
冬になると勝手に上がりこんでくる、よその猫の話。
よしこ
逃げたインコが見つかったとき、祖父の前で言った言葉。
牛舎の歌
酪農家の父が、牛舎でだけ歌っていた歌。
モカのお葬式
五歳の娘が、はじめて命の終わりに向き合った朝。
背中の重さ
人間を怖がる保護犬と、同じ部屋で本を読みつづけた三か月。
軒下の札
毎年ツバメを待っていた祖母が施設に入った春、空き家に帰ってきたもの。
カートの散歩
歩けなくなった老犬を、カートに乗せていつもの道を歩いた。
おまけの金魚
夏祭りでもらったおまけの金魚は、十二年生きた。
ハーネスを外した日
十年間の盲導犬が引退する前の日、最後の散歩。
十一の名前
商店街の人たちが、それぞれ別の名前で呼んでいた一匹の猫。
五時十分の玄関
父が帰ってくる時間に、老犬は玄関で待ちつづけた。