家族の泣ける話・感動する話 21選
「家族」をテーマにした、3分で読める短い物語。泣ける話から、くすっと笑える話まで。
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カレンダーの「ス」
台所のカレンダーに、月に何回か「ス」とだけ書いてある。父はスーパーの特売の日だと言う。でも、その店は水曜が定休日だ。
父の豆知識は九割うそ
父の言う豆知識は、だいたい嘘だ。大学入試の朝、会場まで車で送ってくれた父が、降りる直前にまた何か言い出した。
一日四百十二円
仙台で一人暮らしを始めた十九歳の息子。その家計簿を、父は居間のタブレットで見てしまった。
代打の三者面談
母は夜勤明け、父は名古屋に単身赴任。中三の弟の三者面談に、大学三年の兄が行くことになった。
冷蔵庫のホワイトボード
八十一歳の祖父に、免許を返してほしい。家族四人の話し合いは、冷蔵庫のホワイトボードの上で進んだ。
通夜の寿司
祖母の通夜の晩、東北の実家に親戚が集まった。寿司桶の数で、大人たちがもめはじめた。
孫と花札
息子が離婚して、週末だけ小学五年の孫を預かることになった。口をきかない孫と、七十三の祖母。
網戸の張り替え
一人暮らしの娘から「網戸が破れた」と電話が来た。父は工具箱を積んで出かけた。
父とドラッグストア
中二の娘に頼まれて、父がはじめて買いに行ったもの。
返しに来たゲームソフト
二十三年前に借りパクした兄のソフトを、弟が返しに来た。
ワゴンRで行く
結婚式の前の晩、娘が「あの車で行きたい」と言い出した。
裏返しの「め」
字が書けない母が、娘の入学式の朝にテーブルに置いた紙。
最後のキャッチボール
野球を嫌いにさせた父が、病院の中庭で言ったこと。
背中の文字
口下手な兄が、弟の背中に指で書いた言葉。
祖母の家の番号
亡くなった祖母の家の番号に電話をかけたら、知らない人が出た。
弁当箱の蓋の裏
口をきかない娘の弁当に、母が毎日貼ったメモ。
二十歳の封筒
施設で育った僕に、成人式の朝、園長先生が渡した封筒。
半分の歩幅
息子の顔を忘れた父と、毎朝歩く川沿いの道。
ビリの理由
運動会でいつもビリの息子が、転んだ子の前で立ち止まった。
送信されなかった下書き
母の古い携帯に残っていた、七年前の夜の下書き。
塩むすびの味
料理が壊滅的な父が、八年間握りつづけた具なしのおにぎり。