別れの泣ける話・感動する話 18選
「別れ」をテーマにした、3分で読める短い物語。泣ける話から、くすっと笑える話まで。
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家の電話を解約する日
昭和四十三年から五十八年使った家の電話を、やめることにした。回線が止まる正午の前に、七十九歳はスマホでその番号を押してみた。
仲人の時計
二十八年前に仲人をした元部下から、はがきが届いた。印刷の文面の下に、手書きで一行だけ添えてあった。
十五個目のボール
三年間、うちの庭に飛びこんできた隣の子のボールを、私は一つも返さなかった。その一家が、熊本へ越していく。
ポテトの端っこ
ファミレスのパート歴十年。口の悪いうちの横で、三年間レジを打ってきた高校生が今日で辞める。
第二日曜日
離婚して、月に一度だけ会えた娘。父の手帳に残った、七年分の第二日曜日。
第八幸栄丸
八十六歳の祖父が、五十年乗った漁船を売ることになった。引き渡しの朝、孫は港についていった。
柱の傷
実家を取り壊す前の日、兄の背比べの記録に不正が見つかった。
松の湯のお知らせ
閉店する銭湯の入口に貼られた、手書きの紙。
最後の在校生
島の小学校が閉校する年、たった一人の卒業生のために開かれた式。
宇宙へ持っていくもの
宇宙飛行士になりたかった弟の「持っていくものリスト」。
母の検索履歴
亡くなった母のスマートフォンに残っていた、娘についての検索。
余白のなっちゃん
祖母のレシピ帳どおりに作っても、あの肉じゃがにならなかった理由。
原付の音
荒れていた高校時代、毎朝原付で迎えに来た担任の最期。
桜の木の下の家族写真
毎年同じ桜の下で撮った家族写真の、三十七枚目。
留守番電話
亡き妻の声が残る家の電話に、毎晩かけた夫。
青いランドセル
入学前に亡くなった息子のランドセルを、知らない子に譲った。
百十二枚
毎年百枚以上の年賀状を筆で書いた祖母が、最後に残した束。
父宛ての手紙
死んだ父の空き家に出し続けた手紙を、受け取っていた人がいた。